2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」
一連のトラブル・事故隠しと不正事件で止まっている原発の運転再開の動きが強まるなか、地元住民らが原発行政の抜本改革や、通り一遍でなく納得できる説明などを求めて国と東京電力に申し入れました。
申し入れたのは、原発問題住民運動全国連絡センターと原発の安全性を求める福島県連絡会、原発を考える新潟県連絡センターの人たち。
経済産業省原子力安全・保安院にたいしては、第三者機関による公正で徹底した調査を実施する以外、一連の不祥事に対する原因の究明も万全な再発防止の保証もないと指摘。この間明らかになった原発機器のひび割れについて、同院が住民に納得がいく説明責任も果たさずに「安全宣言」をおこなっていることなどを批判しました。
そのうえで、現在の日本の原子力規制行政が推進機関と一体となっておこなわれていることが、不信をもたれる原因になっていると強調。独立した規制機関をつくるよう求めました。保安院側も、現在の体制が「正確にいえば独立しているとはいえない」と認めました。
また、原発の検査に技術者が二百人必要なのに、現状で十分な能力をもった技術者の数は二十人程度しかいないことも明らかになりました。
東京電力では、心配される夏の電力不足はこれまで原発に依存してきた結果だと指摘。一般の家庭に節電を強制するようなやり方は筋違いだと批判しました。