日本共産党

2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」

松浪議員の暴力団癒着

「反省」だけですむのか

自民、公明はなぜかばう


 自民、公明、保守新の与党三党は、松浪健四郎衆院議員(保守新党)の暴力団との癒着問題で幕引きをはかろうとしています。十一日には衆院政治倫理審査会の奥野誠亮会長(自民)が「審査報告書」を衆院議長に提出し、十二日には野党提出の松浪議員辞職勧告決議案の本会議上程を否決しました。野党が求めている衆院予算委員会での証人喚問も拒否しています。

 十二日の衆院議院運営委員会で、松浪議員が所属する保守新党の江崎洋一郎議員は、辞職決議案に反対して、「国民の代表として選ばれる国会議員の身分は手厚く保護されている」とのべました。

 しかし、存在自体が許されない反社会的集団である暴力団と持ちつ持たれつの深い関係をもつことは、国会議員としてあるまじきことです。江崎氏の議論には、この点でまったく反省がありません。辞職勧告決議は、議員の政治的道義的責任を厳しく問うことで衆院として自浄作用を発揮するものです。江崎氏の主張は、国民の信託を裏切った松浪議員の居座りを公然と容認するものです。

 また、「決議案は、真偽が明らかでない一連の報道を前提としている」とものべていますが、松浪議員自身が暴力団関係者からの秘書給与肩代わりや、大阪府警への問い合わせを認めており、これも事実無根の主張にすぎません。

 松浪議員に一貫して甘い態度をとりつづける保守新党の姿勢を容認する自民、公明両党の責任は重大です。

 公明党の西博義議員は、勧告決議案の採決に反対して、「(松浪議員は)深く反省している」とのべ、「捜査や刑事訴追を受けていない」と擁護しました。

 公明党は、「捜査や刑事訴追」を受けなければ、国会議員が暴力団と深い関係をもっても、議員としての資質が問われないと考えているのでしょうか。政治倫理がマヒしているとしかいいようがありません。

 これだけの重大問題なのに、与党三党に守られながら、“役職停止”という処分にもならない党内処分と、その日のうちにくつがえるような政倫審でのいいかげんな「弁明」をしただけで、松浪議員が国会議員に居座り続けることは許されません。与党三党は、松浪議員の証人喚問と辞職勧告決議案の本会議上程に踏み切るべきです。(小林俊哉記者)


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