2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」
公正取引委員会は十二日、国などが発注した公共工事建設資材の単価調査業務で、国土交通省所管の二財団が談合を繰り返していたとして、独禁法違反(不当な取引制限)で排除勧告しました。この問題は、本紙が二〇〇二年一月一日付で報道したもの。二財団が独占受注した単価調査で、実際より高い単価が報告され、これが日本の高い公共工事の一因となっていると本紙が追及してきました。
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排除勧告を受けたのは経済調査会(東京都中央区)と建設物価調査会(同)。
単価調査は公共事業の予定価格積算のもとになるもの。独占受注のなか、高速道路の橋げたに使われる免震装置が実際の取引価格の一・五倍に報告されるなど、高い単価が報告されていたことが本紙報道で明らかになりました。この差益がゼネコンや資材メーカーに流れ、税金が食い物にされてきました。
公取委によると、二財団は一九九九年四月から昨年六月にかけ、関東地方の国の機関や一都六県、長野、山梨両県発注の建設資材の単価調査で、落札価格を維持するために談合しました。
さらに、二財団は使用する調査員の種別ごとの人件費単価等を同一または近似のものとすることを確認しあい、入札価格を積算していました。公取委は、実際の単価調査をきちんとしていたのかどうかにはふれていませんが、強い疑問を残すものです。
また、公取委は、国などから委託された労務費調査業務でも談合の疑いがあるとして二財団に警告。財団に見積価格情報などを提供していた国交省にも競争入札制度が形がい化しないような方策を取るよう異例の要請をしています。
国交省の話 新規業者も出てきており、今後は二法人に提供していた情報を他の入札参加者にも公表する。