2003年6月12日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の紙智子議員は十日の参院農水委員会で、主要食糧法「改正」案について質問し、生産者米価の引き上げ、農家の所得保障政策の確立を求めました。
紙議員は、この五、六年の間に自主流通米の平均価格が一俵約二万円から一万六千円へと約二割も下がり、稲作農家の所得も一九九五年度から二〇〇〇年度の間に三割以上も下がっていることを示し、「実態をどう受け止めているのか」とただしました。亀井善之農水相は、「米価下落が稲作農家の経営を悪化させている」と認めました。
紙議員は「法案のなかに、米価の引き上げや所得保障の確立という目標はあるのか」と追及しました。亀井農水相は「需要に応じた生産を行う努力を配慮しないで、単に米価の引き上げや所得保障を目的とする対策は、構造改革の支障となる」と答弁。紙議員は「とんでもない発言だ。『構造改革』を優先するために、苦しむ農家を切り捨てるとは、冷淡な大臣と言われても仕方がない」と批判しました。法案では、生産調整が農業者・団体の責任となり、取引規則が緩和され、政府の備蓄も百万トンに減らされます。紙議員は「いまでも低米価で苦しむ稲作農家の希望をなくす道であり、米価引き上げ、農家の所得保障の角度から、法案を出し直すべきだ」と強調しました。