日本共産党

2003年6月11日(水)「しんぶん赤旗」

“地方分権改革は名ばかり”

「三位一体」意見書に地方から批判相次ぐ


 「地方分権改革とは名ばかりだ」――政府の地方分権改革推進会議(議長・西室泰三東芝会長)が六日、小泉首相に出した、地方税財政の「三位一体改革」意見書について、地方団体などから、批判が相次いでいます。

 「三位一体改革」は、国庫補助負担金の削減、地方交付税の見直し、税源移譲など国と地方の税源配分の見直し、を一体で行うもの。

 意見書は、税源移譲を将来の増税まで先送りすることなどを盛り込みました。

 これにたいし、地方六団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会)は六日、六会長談話を出し、「国と地方の役割分担に応じた税源移譲等による地方税財源の充実強化が基本的に先送りされ…分権改革の経緯を尊重していない」と批判しました。

 十三の政令指定都市も九日、共同で「緊急意見」を内閣府、財務省、総務省などに提出。分権会議の意見書に、委員十一人中四人が反対したことをあげ、「委員の間で大きく賛否が分かれる中、十分な審議を尽くさず取りまとめられた」「抜本的な税源移譲について増税を伴う税制改正時まで先送りするといった、国の行財政改革を優先する内容になっている」と指摘しています。

 関東地方知事会も十日、「国庫補助負担金の廃止・縮減や地方交付税の抑制のみを先行させ、地方分権の推進をないがしろにしている」との緊急アピールをまとめ、福田康夫官房長官に申し入れました。

 一方、鳥取県の片山善博知事は九日、地方分権会議の西室議長の議事運営が民主的でないとして、同議長が会長を務める東芝と同県との取引の見直しを示唆しています。


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