2003年6月11日(水)「しんぶん赤旗」
自民、公明、保守新の与党は十日の衆院財務金融委員会で、生命保険の予定利率を破たん前に引き下げ、保険金カットを可能にする保険業法改悪案を野党の反対を押しきって賛成多数で可決しました。日本共産党、民主、自由、社民の各党は反対しました。
同案は、生保会社が契約者に約束した運用利回り(予定利率)を、破たん前に3%まで引き下げることを可能にします。引き下げ対象は一九九五年以前の契約者です。
引き下げは、総代会で四分の三以上、株式総会で三分の二以上の賛成で決定。引き下げ決定となれば首相は契約者の解約を制限します。一方で契約者の異議申し立ては、要件を厳しくし、極めて困難になっています。
反対討論で日本共産党の佐々木憲昭議員は「逆ざや問題をもっぱら契約者の犠牲によって解消するもので、保険金を大幅削減し、契約者の生活設計を根本から狂わせるものだ」と批判しました。
破たん前の契約変更を認めることは保険業界への不信感を広げ存立基盤を危うくし、「生保会社の経営を追い込んでいる小泉内閣の経済大失政を契約者につけまわしするものだ」とのべました。
世論調査で引き下げ反対が過半数を超え、審議のなかでも政府は「社会的認知」が得られたことを示せなかったことをあげて、「にもかかわらず法案を押し通そうという政府・与党の国民無視の横暴な態度を厳しく批判する」とのべました。