2003年6月11日(水)「しんぶん赤旗」
金融庁は十日、りそな銀行が申請した公的資金一兆九千六百億円の注入(資本増強)を正式決定しました。
普通株と議決権付優先株の合計で持ち株会社りそなホールディングスの七割超の議決権を持つ最大株主になります。
りそな銀行は公的資金注入の申請にあたって「経営健全化」計画を提出しています。
政府は最大株主として、同計画の実行、「収益回復」を監視、要求していくことになります。
同計画は、二〇〇五年三月期までの「集中再生期間」に「健全化」を軌道に乗せるとしています。計画の柱は、給与・賞与の大幅削減、千八百人超の人員削減による人件費削減と貸出リスクに見合った「適正」利ざや確保(金利引き上げ)や不良債権の半減が主な柱。
政府のきびしい監視の下で、公的資金を使ったリストラ、賃金カット、中小企業への貸し渋りが強化される形です。
また、新経営陣が就任後に、経営理念やビジネスモデルの見直しをおこない、「健全化」計画も見直します。
「健全化」の推進が至上課題の新経営陣が「結果」を出すために、リストラの上積みや収益力アップのための金利引き上げが加速されます。
また、新経営陣のもとで銀行の勘定が新たに再生勘定(不良債権)と新勘定(正常債権)に分離されます。再生勘定に分類された中小企業などの切り捨てが進む危険があります。