日本共産党

2003年6月6日(金)「しんぶん赤旗」

派遣青年モノ扱い

暴力、ただ働き強要も

ヨドバシの携帯売場

井上美代議員追及 厚労省「調査する」


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質問する井上美代議員=5日、参院厚生労働委

 ヨドバシカメラの携帯売り場で無許可会社の派遣労働者が働き、労働者は長期間のサービス残業を強いられたうえ、社内暴力で重傷を負っていることが判明。五日の参院厚生労働委員会で日本共産党の井上美代議員が「労働者をモノとしか見ない風潮が横行している。派遣先企業の責任のがれを許さない仕組みをつくるべきだ」と強調しました。

 被害者は千葉県のA君(25)。東京・渋谷の会社から、DDIポケット製品の販売補助員としてヨドバシの店舗に派遣されていました。

 三月十三日、A君は十分遅刻したとして派遣会社に呼びつけられ、同日深夜と翌日午後の二回にわたり暴行を加えられました。そのうえ、傷だらけのままDDI社まで連れて行かれ、遅刻の「謝罪」をさせられました。A君は、ろっ骨骨折などで全治二カ月。加害者の派遣会社員には罰金刑が確定しています。

 A君は昨年末にも二回、仕事上のミスなどを理由にヨドバシ社員などから暴行を受けています。さらに、毎日十五分の早出残業代や研修期間の賃金も支払われておらず、社会保険にも入っていませんでした。

 この派遣会社は派遣業の許可を受けておらず、井上議員は、違法隠しのため、派遣でなく「業務委託」を偽装した疑いもあると指摘。戸苅利和職安局長は「労働者がヨドバシに指揮監督されているという実態があれば派遣関係が成立し、派遣会社もヨドバシも違反となる。社会保険未加入の受け入れも違反であり、調査する」と答えました。

 井上議員は「経済力のある派遣受け入れ企業の責任が問われない状況がある限り、問題は解決しない」と指摘しました。


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