日本共産党

2003年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

暴力団関係から新たな献金

衆院政倫審幹事会 松浪議員弁明で協議


 衆院政治倫理審査会は四日、幹事会を開き、松浪健四郎議員(保守新党)が五月二十一日の同審査会で行った暴力団との関係をめぐる弁明について協議しました。松浪議員は同日の幹事会に追加の「弁明書補遺」を提出し、私設秘書給与の肩代わりをさせた暴力団関係者とは別の暴力団関係企業からの献金額が、日本共産党の児玉健次議員から指摘を受けた二十八万円(前後三回)にとどまらず、三十四万円にのぼることを明らかにしました。

 「弁明書補遺」では、大阪・阪南市の暴力団関係会社から、保守党大阪府第十九支部に二〇〇〇−〇二年までに三十万円の献金を受け、九九年にも資金管理団体に四万円の寄付を受け、いずれも政治資金収支報告書に記載したとしています。

 日本共産党の児玉健次議員は、松浪議員は五月二十一日の政倫審で「ほかの暴力団関係者と一切関係をもったことはない」とのべながら「弁明書補遺」で自ら弁明の核心をくつがえしたものであり、弁明は真実ではなかったと指摘。「松浪議員の責任は重大であり、本人が何をなすべきかは明白だ」とのべました。また予算委員会での証人喚問と本会議での議員辞職勧告決議案の採決がふさわしいとのべました。

 協議の結果、政倫審会長が衆院議長に提出する報告書案の内容について、六月十一日の幹事会で協議することになりました。


松浪議員は直ちに辞職を

政倫審での幕引き許されない

 松浪健四郎議員(保守新党)が四日、別の暴力団関係会社からの政治献金受領を明らかにしたことは、五月二十一日の政治倫理審査会での「弁明」が結局、虚偽だったことを自ら認めたことになります。

 暴力団との関係は、秘書給与の肩代わりをさせたケース以外は「一切関係をもったことはない」と言い切った「弁明」の核心が崩れた以上、松浪議員は即刻辞職するのが当然です。

 松浪議員は五月の審査会で、他の暴力団関係会社からの献金を指摘した日本共産党の児玉健次議員に対し、「申し訳ない」と謝罪していました。ところが今度の「補遺」では謝罪の言葉はなく「同社の代表が反社会的集団の一員であるとは知らなかった」と釈明。五月二十七日に全額返却したとしています。

 しかし、松浪議員の問題は、明らかとなっているだけでも(1)暴力団関係者からの秘書給与肩代わり(2)あってはならない捜査状況の照会(3)政治資金収支報告書への虚偽記載を続けた(4)他の暴力団関係者からの政治献金−があります。ここまで深い癒着関係がありながら、「全額返却していただいた」と言ってすませようとすること自体、国会議員として失格です。

 与党側は三日の衆院議院運営委員会理事会で、議員辞職勧告決議案の本会議上程を求める野党側に対し、松浪議員は、後援会と暴力団関係者との関係をあらためて精査しているとして、決議案の取り扱いは継続協議としました。その「精査」の結果が明らかとなった以上、決議案の早期上程は当然であり、政倫審での幕引きは許されません。(小林俊哉記者)


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