2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
大阪地裁判決(五月十四日)で反共労務政策が厳しく断罪された繊維大手のクラボウ(本社・大阪市)が、日本共産党員労働者への差別的取り扱いを続けていることについて、地裁に訴えた二人の労働者が三日、大阪労働局に告訴状を提出し、クラボウへの厳重な処罰を要請しました。労働基準部監督課が応対し、告訴状を受理しました。
提出したのは伊藤建夫さん(59)、宮崎周吉さん(54)。大阪地裁判決は、クラボウが両氏に対し、日本共産党員であることを理由に二十七年間にわたって賃金・昇格等で差別的取り扱いをしてきたことを認定。労働基準法三条違反と断定しました。クラボウは、判決を不服とし大阪高裁に控訴しています。
告訴状では、「少なくとも二十七年間にわたって思想信条を理由に、賃金等の差別的取り扱いを継続して行い、労働基準法三条違反の罪を犯し続けているのは断じて容認できない」と批判。「速やかに厳重な処罰をすべきだ」としています。
提出にあたり東中光雄弁護士は、「クラボウに犯罪行為だということを自覚させてもらいたい」とのべ、すみやかな対処を求めました。
告訴状が受理されたことにより、今後、クラボウは捜査をうけ、違反が認められれば起訴される可能性があります。