2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
私立高校での経済的理由による中途退学者が、一校あたり一・五六人となり、一九九八年の調査開始以来過去最高になったことがわかりました。全国私立学校教職員組合連合(略称・全国私教連、谷正比呂委員長)がことし三月末時点の調査結果を三日発表しました。
私立高校二百二十八校(約二十万六千人)、私立中学校八十校(約二万九千人)を対象にしました。退学者の数は高校で三百五十五人、中学で八人でした。
二〇〇〇年三月時点の高校一校あたり一・五一人がこれまでの最高でした。
高校の授業料滞納者も昨年同時点とくらべ、学校数、生徒数ともに増え、百九十一校千八百七十一人(昨年同時点は百二十六校千三百七十九人)。中学校は六十八校七十八人でした。
滞納・退学の理由は「自営業の経営不振」「父親蒸発し、借金残した」「家業倒産のため一家転住(夜逃げ)」「父親がリストラにあい、母親の入院も重なり、収入源がなくなった」「家庭離散で連絡不明」など不況・リストラが子どもたちの教育を受ける権利を奪っている実態が浮き彫りになっています。
私教連は、「各都道府県の授業料補助制度を充実し、倒産・リストラ・災害等による家計急変者にたいし、学費の全額免除を含む制度の拡充をはかる」など緊急要求をかかげ、十三日に文部科学省に要請します。