2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
参院文教科学委員会は三日、国立大学法人法案について、六人の参考人から意見を聴取しました。
法案賛成の参考人も含め、さまざまな疑問や懸念が出されました。
東京大学社会科学研究所教授の田端博邦氏は、国立大学法人化の動きは大学改革の必要性からではなく、国家公務員の削減という「行政改革」の議論が発端だと指摘。その結果、今回の法案は、“中期目標・中期計画を文科相が決定・認可する”など、教育研究になじまないものになっていると批判しました。
大阪大学社会経済研究所教授の小野善康氏は、自らの研究所が「規模が小さい」「外部のカネをとってこない」との理由で廃止の対象とされ、それに反論する資料作りに五カ月間忙殺された体験をリアルに証言。「文科省による評価がちらつけば、現場は研究はほどほどに、カネをとってくる対策や文科省対策に追われるようになる」と述べました。
お茶の水大学学長の本田和子氏は、法案を「了承する」との立場ながら、「小規模大学はトータルの論文数では勝負にならず、どういう基準で評価されるのか不安だ。学外からの資金導入も難しく、評価が運営交付金の配分に連動するのも不安だ」と訴えました。
日本共産党から林紀子、畑野君枝両議員が質問に立ちました。