2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
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国土交通省の沖縄・那覇交通管制部で五月三十一日と六月一日に嘉手納基地のレーダー更新を理由に、のべ三十五人の米兵が米軍機と民間機の双方を管制していた事実が明らかになりました。日本共産党の小泉親司参院議員が三日の有事法制特別委員会で追及したもの。米軍による国土交通省・交通管制部の使用は初めてのことです。
米軍は一九七二年の沖縄施政権返還後も、米空軍嘉手納基地で沖縄周辺の空域の管制(嘉手納ラプコン=ターミナルレーダー進入管制)をしています。那覇交通管制部は空港周辺の限られた空域を管制するだけでした(図参照)。これまで嘉手納基地の管制用レーダーの更新の際には、米軍の移動式レーダーを使用してきました。
当初、日米双方とも未公表のまま、米軍は五月二十七日から三十日まで管制部で訓練を実施する予定でした。しかし、途中で情報が地元マスコミに漏れそうになったため、二十九日に急きょ日米合同委員会を開催して那覇交通管制部の共同使用を決定。三十一日から二日間実施しました。
小泉議員は「周到な準備で行われたことは明らかだ。日米共同使用を目的にしていたとしか考えられない」と追及。外務省の海老原紳北米局長は「レーダー更新中の不具合を想定したもの」との答弁を繰り返しました。
小泉議員は、新ガイドラインでは周辺事態の際に日米が「航空交通管制及び空域調整」を実施することになっていると指摘。「平時では日米地位協定、武力攻撃予測事態では、今回の那覇交通管制のように民間航空の交通管制部で米軍が管制することになるのか」とただしました。川口外相は、「(米軍が管制を行う可能性について)今後検討するが、(米軍の)必要があればできるということだ」と答えました。