2003年6月3日(火)「しんぶん赤旗」
与野党の年金問題担当の国会議員による「超党派年金シンポジウム」が二日、東京・千代田区の憲政記念館で開かれました。日本共産党の小池晃参院議員のほか自民、民主、公明、自由、社民、保守新各党の議員が出席し、二〇〇四年の年金制度「改革」に向けた各党の考え方をのべました。
厚生労働省は、厚生年金の保険料を年収の20%程度(労使折半、現行は13・58%)に引き上げて固定する一方、給付額は保険料の収入の範囲内で自動的に削減するという「保険料固定方式」案などを示しています。
小池氏は、政府がリストラや倒産、失業、不安定雇用を増やすという「構造改革」で年金の支え手を減らし、年金積立金の株式運用で巨額の損失を出すなど、財政を悪化させてきたことを指摘。「小泉内閣の責任を、高齢者と労働者に給付削減と保険料負担増という形で押しつける提案には反対」だとのべました。
また、(1)基礎年金への国庫負担をただちに二分の一(現行は三分の一)に引き上げる(2)厚生年金で約百八十兆円という巨額な年金積立金のため込み方式を改める(3)「少子化」の進行を前提とした年金の将来設計を見直し、労働条件の改善など子どもを安心して生み育てられる環境づくりを優先すべき―と提案しました。
与党からは「一定の給付抑制、負担の引き上げは必要」(公明・福島豊氏)など厚労省案を支持する意見が出されました。小池氏は「給付がどこまで下がるかわからず、将来不安をいっそう高めるものだ」と批判しました。
基礎年金の国庫負担については、各党が二分の一に引き上げるよう主張しました。引き上げの財源については「消費税の議論が避けて通れない」(自民・津島雄二氏)、「年金控除の見直しで生まれる財源などの利用」(公明・福島氏)などの意見が出されました。小池氏は「年金控除の見直しや消費税引き上げによる国民負担増は行うべきではない。財源は、大型公共事業など不要不急の予算の見直しで生み出すべきだ」と批判しました。