2003年6月1日(日)「しんぶん赤旗」
有事法案をめぐり、日本共産党は、徹底審議を行う立場から、中央公聴会の開催や首相出席の集中審議を求めています。与党側は、これらの開催を拒否しつづけ、今週は三日に参考人質疑を行うなど、「採決の前提」をつくることで、今週中の可決・成立を狙っています。
参院有事法制特別委員会は、二日に一般質疑、三日に参考人質疑を行うことが決まっています。四日以降の日程は白紙ですが、与党などは審議を急ぐ姿勢を崩しておらず、採決強行を視野に入れた重大局面が続きます。
会期末を十八日に控え、内閣が提出した百十九法案のうち、これまでに成立したのは六十二法案で、与党側は今週、重要法案の採決を次々と狙っています。与党内には、イラクへの自衛隊派兵法案のための会期延長論も浮上していますが、野党四党は国対委員長会談で、会期延長に反対することで一致しています。
労働基準法改悪案は、三日に衆院厚生労働委員会で参考人質疑を行います。与党側は四日の採決を主張し、今週中の衆院通過を狙っています。労働者派遣法改悪案は、三日に参院厚生労働委員会で参考人質疑を行います。
日本育英会を廃止して独立行政法人化する学生支援機構法案は、衆院文部科学委員会で四、六の両日に質疑を行うことを決めており、与党側は今週中に採決する構えです。公立大学や病院、保育所など地方自治体が運営する公的サービス部門を独立行政法人化する地方独立行政法人法案も、四日の衆院総務委員会での採決をねらっています。大学法人法案は、三日の参院文教科学委員会で参考人質疑を行います。
主食に対する政府の管理責任を放棄する主要食糧法改悪案は、四日の衆院農水委員会で採決されます。心神喪失者処遇法案も、二日に参院法務、厚生労働委員会が連合審査を行い、与党側は三日に採決する構えです。
生命保険の予定利率引き下げ法案は、三日の衆院財務金融委員会で審議入りします。四日には、りそな問題などの金融問題で参考人質疑を行います。
参院憲法調査会は四日に「平和主義と安全保障」をテーマに公聴会を行います。