2003年5月31日(土)「しんぶん赤旗」
見もしないインターネットのアダルトサイトの利用料金を勝手にメールで請求し、料金をだまし取る詐欺行為が全国的に広がっています。不特定多数に送付されるため、衆参両院から各議員室の備品として設置されているパソコンにも被害がおよび始めています。
二十六日には、日本共産党の木島日出夫衆院議員室のパソコンにも、アダルトサイト利用料金の未納利用料金回収代行業「(株)債権データネット代表‥横田雅美(システム情報管理部、佐藤英樹)」名で二万七千八百八十二円(未納金一万七千五百円、遅延損害金五千三百八十二円、回収代行手数料五千円)の請求が送付されてきました。
メールによると、過去に電話回線から接続されたアダルトサイト利用料金について、運営業者より未納利用料金の債権譲渡を受け、回収作業を代行…とし、五月三十日までに指定口座に入金するように求めています。振り込み先は三井住友銀行和歌山支店の普通預金口座(口座名義ヨコタマサミ)となっていました。さらに、入金しない場合は、担当員を自宅に訪問させ、交通費、人件費等を上乗せして数倍の請求をすると脅しています。
木島室では「いわれなき請求がメールで送付されてきたが、これは詐欺罪にあたる。被害を拡大しないためにも調査して対処してほしい」と警察庁生活安全課に要請。同課は、詐欺まがいの集団と見て和歌山県警と連絡をとり、県警は銀行側と協議して、「ヨコタマサミ」名の架空名義の出入金禁止の口座凍結を行いました。同銀行和歌山支店からは、木島議員にお礼の連絡がありました。
木島室の調べでは、同名の口座は同銀行新潟北支店にもあり、同口座への振り込みを被害者に求めていた事例も明らかになっています。また、警視庁は二十二日までに同様の詐欺容疑で二人の会社員を逮捕しています。
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東京都消費生活総合センターによると、都内だけで二〇〇一年度の不当請求相談件数は三千二十五件、二年度は三千九百九十件で約30%の伸び率。国民生活センターでも〇一年と〇二年では被害相談件数が十倍以上に増えています。都のセンターは「心当たりのない請求がきた場合は、相手に連絡すると電話番号等が分かってしまい、かえって危険性があるので知らん顔をしておくことです。それでもしつこく請求やいやがらせがあれば警察に連絡するように指導している」と話しています。