2003年5月30日(金)「しんぶん赤旗」
通信産業労働組合(通信労組)、「NTTリストラ裁判」の原告など二十二人はこのほど、NTTリストラによる異職種・遠隔地配転や、五十歳退職・賃下げ再雇用の強要は、ILO条約と国際人権規約に違反するとして、ジュネーブの国際労働機関(ILO)本部と国連人権高等弁務官事務所に要請しました。
ILO本部では、通信労組の岩崎俊委員長が「日本政府はILOに『NTTリストラは労使合意だ』と報告しているが、実際は労使合意でなく一方的に強要されている実態を追加報告したい」と申し立てました。
要請団は、「この八カ月、自分の職場だけで、広域配転された五人の労働者が、父親や母親の最期をみとることができなかった」など、NTT職場の実情を訴えました。
国連人権高等弁務官事務所では、「NTTのやっている人権侵害を中止するよう指導し、日本政府に勧告してほしい」と要請。NTTの業務拡大・広域配転の犠牲となり、昨年九月に過労死した労働者のことなどを訴えました。
「NTTリストラ裁判」原告代理人の菅俊治弁護士は、「NTTは通信産業で公共的サービスを提供する企業であり、NTTリストラが国策として行われてきたのは明らか」と意見をのべました。