2003年5月30日(金)「しんぶん赤旗」
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来年4月の強行批判 日本共産党の林紀子議員は二十九日、参院文教科学委員会で、国立大学法人法案に関連して国立大学の労働安全体制についてただしました。
国立大学が法人に移行すると、労働安全衛生法が適用されます。現状では「危険な薬品のそばで論文執筆や文献調査が行われている」など違反状態となる施設が多数あり、必要な改善個所数と予算額を示すよう野党は求めていました。
これを受け、文科省は二十八日、改善が必要な実験室は一万三千五百六十二室、予算額は三百六億円との調査を発表しました。
予算額を算出した根拠を文科省は「各大学から報告された額を積み上げた」と説明しましたが、林氏は二日前に東京大学工学部を訪問した際「何が労安法違反となり、どのくらいの金額になるか見当がつかない。これからコンサルタントに診断を委託する」ときいたこと、京都大学では「七月三十一日までに改善計画をまとめる」との文書が回っていることを指摘し、「文科省の出した数字は机上のもので信頼できない」と批判しました。
林氏は、京都大学では労安法に適合させるための施設改善が数年かかると見込まれていることも紹介し、「違法状態が来年四月一日以降も持ち越されることになる。このまま法人化をスタートすることはできない」と強調。正確な資料を出し直し、国会で徹底審議することを求めました。