2003年5月29日(木)「しんぶん赤旗」
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解雇規定や裁量労働制の拡大を盛り込んだ労働基準法改悪案の審議が二十八日の衆院厚生労働委員会でおこなわれ、日本共産党の小沢和秋議員が質問しました。
小沢氏は、解雇規定を修正すべきことを主張し、今回の改悪法案が就業規則の「解雇の事由」を明記することを求めているので、解雇事由がたくさんつくられる危険があると指摘しました。そのうえで、これと連動して「懲戒解雇の事由が増やされることになるのではないか」とただしました。
厚労省の松崎朗労働基準局長は、「解雇の事項を書かなければならないということになれば、懲戒解雇もありうるので、当然検討されるのではないか」と答弁し、懲戒事由も増やされる可能性を示しました。
小沢氏は、「労働者は就業規則に拘束され、とりわけ懲戒解雇事項は労働者に精神的な威圧を与える」と指摘。かつて自身が働いていた八幡製鉄(現新日鉄)では、休憩時間に労働者が横になると、「横臥(おうが)・睡眠は就業規則違反だ」と摘発されるなどの事態があった経験を示し、「就業規則に解雇事由を明記させることは、一種の解雇の『歯止め』になるケースもあるが、ひとつ誤れば、労働者を簡単に解雇できる武器を使用者に与えることになりかねない」と批判しました。
小沢氏は、ホワイトカラーへの大幅な拡大がねらわれている裁量労働制について、「みなしの労働時間にたいし、実際(労働者が)どれだけ働いているか把握しているか」と質問しました。松崎局長は、把握していないと答弁したため、小沢氏は「実際にその労働者がどれだけ働いているかは、ほったらかしだ。だから労働強化が激しく行われることになる。企画型の裁量労働者についても実労働時間をつかむ必要がある」と強調しました。