2003年5月28日(水)「しんぶん赤旗」
政府税制調査会(首相の諮問機関)は二十七日、総会を開き、六月にまとめる税制「改革」の「中期答申」の主な論点を提示しました。論点は、現行5%の消費税について、将来10%以上の「二桁(けた)税率」に引き上げることを当然視した上で、その場合は、食料品など一部の「軽減税率の採用」を検討課題にあげるなど、税率アップに一歩踏み込みました。
消費税をめぐり、石弘光会長は総会後の記者会見で「十年先、十五年先まで5%のまま推移するとは思っていない」とのべ、二〇〇七年度にも税率を引き上げる可能性に言及した塩川正十郎財務相に歩調をあわせました。
論点は、消費税を「あらゆる世代が広く公平に分かち合う上で大きな役割を果たす」「社会保障支出の増大を支えるために極めて重要な税」とし、「税率を引き上げ、その役割を一層高めていくことが必要」と増税を明記しました。
一方、法人課税については、「今後の税率水準の引き下げ」を議論すべき課題としました。個人所得課税では、各種控除の縮小廃止を通じて、課税対象を広げるとしています。これまで税金を払わなくてよかった低所得層をねらいうちにする大増税です。
各種控除の縮小・廃止は、今年度に配偶者特別控除を廃止したばかり。論点は、公的年金等控除など年金生活のお年寄りへの課税強化を打ち出しました。