2003年5月27日(火)「しんぶん赤旗」
今後一年間の消費支出について、「減るまたは節約したい」と考えている人が五割近くにのぼり、最悪水準にまで高まっている――。こんな結果が、内閣府と経済産業省の外郭団体、日本リサーチ総合研究所の全国調査でわかりました。
これは同総研が年二回実施している「消費構造変動調査」で、今回は四月上旬に調べたもの。
それによると、消費支出を「減る・節約したい」と答えた人は48・1%。これまでで最高(最悪)だった一九九八年十月調査(49・1%)に次いで二番目に高い(悪い)水準です。
「減る・節約したい」と答えた人にその理由(複数回答)を聞くと、最も多かったのは「給与や事業収入が伸びない」で65・1%。これに、「医療費の負担が増えた」37・9%、「失業や仕事の継続に不安がある」33・3%がつづきます。「税金等公的負担が増えた」も25・3%となっています。
注目されるのは、これらの項目すべてが前回調査(〇二年十月)に比べて増加していることです。とくに、「医療費負担増」は10・2ポイント、「税金等公的負担増」が6・7ポイントも増えています。四月から健康保険の本人三割負担実施など、小泉自・公内閣による社会保障負担増・給付減、庶民増税が反映しているものとみられます。
同総研は「医療費等の負担増から、先行きの支出が“仕方なく増える(非自発的理由による増加)”とみている消費者の様子がうかがえ、消費者・家計を取り巻く厳しい雇用と所得の環境を考えると、消費の先行きについては、むしろ悪化の懸念が高まっている」と指摘しています。