2003年5月27日(火)「しんぶん赤旗」
塩川正十郎財務相は二十五日、北九州市内でおこなわれた財政制度等審議会の地方公聴会の中で、九月の自民党総裁選挙で小泉純一郎首相が再選されるとの見通しを示しました。その上で、「首相は任期中は消費税を上げないと言っているが、将来やらないとは言っていない。(次の任期が終わった後の)○七年度に上げるとすれば、○六年度には法律の手当てが必要だ」と指摘。消費税増税について具体的な時期に初めて言及しました。
政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)は六月中旬にも「税制改革」の中期答申を固めようとしています。その中で、「少子高齢化」に伴う社会保障費の財源確保のために、消費税率の引き上げが必要だと明記する方向で検討が進んでいます。
日本経団連は、社会保障の給付を削減する一方、消費税率を段階的に引き上げ、〇七年度までに10%とすべきだとの意見書を近くまとめ、政府税調の中期答申に反映させるよう働きかけようとしています。
消費税は、低所得者ほど負担が重い“福祉破壊税”です。財界・大企業には、社会保障の企業負担を軽減するために、消費税の税率を引き上げようとする狙いがあり、警戒が必要です。