2003年5月25日(日)「しんぶん赤旗」
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日本共産党は二十四日、第六回中央委員会総会を党本部で開きました。日程は二日間です。志位和夫委員長が、(1)情勢の焦点と日本共産党の立場(2)いっせい地方選挙の総括と教訓(3)選挙闘争と党建設の課題について幹部会報告をおこないました(2面に骨子)。このなかで、第二十三回党大会開催を十一月とする大会日程とそれに向けた段取りを提案し、党大会を期限とした「党員・読者拡大の大運動」をよびかけました。討論では十三人が発言、このなかで不破哲三議長が国際・外交問題について発言しました。
情勢問題で志位委員長は、最初のブッシュ戦略の本格的発動となったイラク戦争の危険な本質と国際社会が今後対応すべき諸点を示しました。そして、「二十一世紀の世界は、その横暴になすがままにされる無力な世界では決してない」と強調。地球的規模に広がった反戦平和運動をふくめ、国際社会に働いた平和の力の歴史的意義にふれ、世界の平和のルールをとりもどし、築きあげていく展望を明らかにしました。
北朝鮮問題では、北朝鮮が軍事力強化を他のすべてに優先させる「軍事優先思想」にたって核兵器開発に乗り出すことは、アジアの平和、みずからの安全保障にとっても有害かつ危険であることを指摘し、北朝鮮にたいして「『物理的抑止力』論にたった核兵器開発を放棄し、国際的無法の清算で、国際社会の仲間入りを」という、理にたった外交努力をおこなうことが必要だと強調しました。
当面の政治的焦点として、有事三法案の廃案のために最後まで力を尽くすことを表明。「かりに強行されても有事法制の発動と具体化を許さないたたかいが重要になってくる」として、その核心部分となる「米軍支援法制」を許さないたたかいが重要になってくるとのべました。
二年がたった小泉内閣は「完全な経済手詰まり状態」と指摘し、(1)社会保障の負担増中止など「四つの緊急要求」にもとづく共同と運動をさらに広げる(2)無謀なリストラに反対し、大企業に社会的責任をはたさせるたたかいの発展――という「二つの旗印」を高く掲げていこうと呼びかけました。
いっせい地方選挙の総括の基本的視点として志位委員長は、「四百三十三万票までおしもどされた二〇〇一年の参院選の力関係からどれだけおしかえしたのか」という五中総決定にてらして、教訓を引き出す必要性を強調しました。
その見地から確信にすべき積極的教訓として、(1)政治論戦の基本は道理にたち、情勢にかなった適切なものだった(2)獲得した得票は「反転攻勢」にむけた足がかりになる結果をえた(3)反共攻撃とのたたかいで、恐れず勇気をもってたちむかう気概が発揮された(4)無党派の人々との共同が本格的にすすんだところで、共通して前進をかちとっている――との四点を指摘しました。
同時に、全党が深く教訓をひきだすべき二つの大きな問題点として、(1)五中総の見地を自覚した構えとたたかいを、いっかんしてつらぬいたかどうか(2)質・量ともに強大な党建設をめざす活動の立ち遅れを提起しました。
そのうえで、「こんごの選挙でも、党建設でも、『おしもどされた力関係からおしかえし、さらに前進を』という構えを、しっかりとつらぬくことが大切」と強調。国政選挙の目標と基本方針を次のようにのべました。
衆議院選挙――比例代表選挙を選挙戦の中心にすえてたたかう。それぞれの衆院比例ブロックごとに現有議席の確保と、いっそうの前進を展望して奮闘する。
参議院選挙――比例代表、選挙区ともに現有議席の確保に正面から挑戦する。非拘束名簿式のたたかいでは、衆院ブロック区域を基本に全国を地域割りして、個人名での投票をお願いすることを基本にたたかうようにする。
「党員・読者拡大の大運動」の位置付けについて、「つぎの国政選挙での『反転攻勢』のたしかな土台をつくりあげるだけにとどまらず、二十一世紀をたたかう党の土台をつくる運動として、より長期的視野にたった本格的運動の第一歩」と強調。組織活動について、「陣地拡大でも科学的な前進をはかる党」へと成長し、国政選挙と党建設での新たな前進にむけた画期をつくりだそうとよびかけました。
(1)ブッシュ戦略の最初の本格的発動――国際社会の今後の対応として何が大切か
(2)世界の平和のルールをとりもどし、築きあげていく展望はあるか
(3)日本共産党が先頭にたった平和のための活動――今後に生きる大きな値打ち
(1)北朝鮮は核開発計画の放棄を――平和的・外交的手段で解決はかれ
(2)「物理的抑止力」論での核開発を放棄し、無法の清算で、国際社会の仲間入りを
(3)核カードをもてあそぶ瀬戸際外交は、米国の先制攻撃戦略に口実をあたえる
(1)外交・安保――憲法を蹂躙(じゅうりん)した海外派兵国家づくりを許さないたたかいを
(2)経済と暮らし――「四つの緊急要求」と「リストラ反対」の旗印を高くかかげて
(3)情勢は、政党間の力関係の劇的な変化の可能性をはらんでいる
(1)いっせい地方選挙の結果について
(2)433万票までおしもどされた参院選の力関係からどれだけおしかえしたか
(1)政治論戦の基本――「政党らしい政党」としての真価を発揮した訴え
(2)獲得した得票――「反転攻勢」にむけた足がかりになる結果をえた
(3)反共攻撃とのたたかい――恐れず勇気をもってたちむかう気概が発揮された
(4)無党派との共同――「ともに考え、ともに行動する」という見地で
(1)たたかいの構え――五中総決定にもとづく構えとたたかいをつらぬいたか
(2)党の基礎力量――「しんぶん赤旗」の読者後退は大きな痛手だった
(1)地方政治をめぐる政治論戦に熟達する
(2)「対面での対話」を骨格にすえつつ、全有権者への働きかけを
(3)住民要求にもとづく粘り強い日常活動が、いかに重要であるかが試された
(4)試されずみの科学的定石・鉄則を、しっかり継承することの重要性
(1)情勢の新しい特質を立体的につかみ、前向きの打開を本格的にかちとろう
(2)“落ち目の反動派の悪あがき”――これを打ち破れば新しい局面が開ける
(1)とりくみのリアルな起点――「どれだけおしかえし、さらに前進するか」
(2)衆議院選挙――比例ブロックごとに現有議席確保と、いっそうの前進を展望して
(3)参議院選挙――非拘束名簿式の比例代表でのたたかい、選挙区での再選計画
(1)十一月の党大会を期限として目標を決め、党員拡大と読者拡大にとりくむ
(2)国政選挙勝利とともに、長期的展望にたった本格的運動の第一歩として
(3)党員拡大――それぞれの世代の活力を生かしながら、新しい世代への継承を着実に
(4)読者拡大――「しんぶん赤旗」の報道が国民世論を大きく動かすように
(5)「自覚的な政治目標をもち、科学的な陣地拡大にとりくむ党」をつくろう