2003年5月24日(土)「しんぶん赤旗」
労働基準法改悪案の審議が、二十三日の衆院厚生労働委員会で始まり、日本共産党の山口富男議員が質問しました。
改悪案は、「労働者を解雇することができる」との使用者による解雇権限を明記しています。
山口氏は、労基法が?労働者保護?の法律であることを政府側に確認したうえで、労基法に盛り込むべきは判例上で確立してきたように、「使用者は正当な事由がない限り解雇してはならない」という使用者の解雇権行使の制限だと主張、法案の修正を求めました。
これにたいし坂口力厚生労働相は、提案は理解できるとのべつつ、法律の文章上の問題と答弁。山口氏は、その文章こそ立法府の責任でつくるのだと指摘しました。
つづいて山口氏は「客観的に合理的な理由」には、判例上確立してきた整理解雇四要件(注)が含まれるのかとただしました。松崎朗労働基準局長は、山口氏の繰り返しの追及に、「含まれる」との見解を示しました。
山口氏は、働き過ぎや過労死の増大が懸念される裁量労働制の拡大についても質問。「事業主には、(労働者が)過重労働にならないように努める義務がある」と指摘。松崎局長は「裁量労働制の労働者についても、健康確保をはかるということから、使用者には(労働者の)労働時間の状況を把握する責務がある」と答えました。
(注)解雇四要件 人員削減の必要性、解雇回避の努力、被解雇者選定の合理性、適正な手続