2003年5月22日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二十一日、国会内での記者会見で、松浪健四郎衆院議員(保守新党)が同日の衆院政治倫理審査会で行った弁明の感想を記者団に問われ、「松浪議員が、まさに暴力団との深いつながりの中で生きてきた政治家だということをまざまざと示した質疑になった」とのべ、改めて松浪議員の議員辞職を求めました。
志位氏は、松浪議員が当選直後から暴力団関係企業から秘書給与の肩代わりを受けていたことを認め、その事実を知った後も関係を続けただけでなく、談合事件で指名手配された暴力団関係者に警察情報を流していたこと、さらに別の暴力団関係者からも政治献金を受け取っていたことが日本共産党の児玉健次議員の質問で明らかになったとのべ、「どれだけ暴力団との深いつながりがあるか、底知れない感じがする。即刻、議員を辞職することが唯一の道だ」と強調しました。
与党が政倫審での弁明で幕引きをはかろうとしていることについて志位氏は「松浪議員の場合は、暴力団との関係という非常に深刻な問題を秘書給与の肩代わりという形で抱えていて、しかも本人が認めている。事実関係は明りょうで、これで一件落着ということにならないのは当たり前だ」と強調。議員辞職勧告決議案を衆院で議決し、予算委員会での参考人質疑を行うべきだとのべました。
二十一日の衆院政治倫理審査会で保守新党の松浪健四郎議員は、暴力団組員(当時)が実質的に経営する建設会社から二百五十万円の秘書給与提供を受けながら返却しなかった理由について、「(暴力団関係者との)事実を確認する方法がなかった」と弁明しました。
松浪氏は、元組員が談合事件の被疑者として大阪府警に逮捕される前に東京・渋谷の喫茶店で会い、警察からの事情聴取について相談を受けたことを認めたうえで、その後、府警に電話したみずからの行為を「捜査状況を照会というものではなかったと確信している」と正当化しました。
さらに松浪氏は、大阪府阪南市の小料理屋で元組員に給与返却を申し出たが断られ、元組員がその場で給与明細書などの書類を破いて金属ボウルに入れ、ライターで火をつけて焼却したと説明。その後、「政治資金規正法を理解するにつれ、政治資金収支報告書を修正すべきだと思うようになった」と、寄付として届け出なかった違法性を認識しながら元組員との「約束」を優先させ、マスコミに取材されるまで報告書を修正しなかったことを明らかにしました。
日本共産党の児玉健次議員はじめ野党各議員が議員辞職を求めたのに対し、松浪氏は拒否。「次の選挙で信を問う」と再出馬の意向を示しました。