2003年5月21日(水)「しんぶん赤旗」
ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD、現あんしん財団)をめぐる汚職事件で、代表質問などの見返りにわいろ七千二百八十八万円を受け取ったとして、受託収賄罪に問われた元労相、元自民党参院幹事長の村上正邦被告(70)に対し、東京地裁は二十日、懲役二年二月、追徴金七千二百八十八万円の実刑判決を言い渡しました。
中谷雄二郎裁判長は、村上被告の職務権限について「政党政治の根幹」である代表質問だけでなく、自民党参院幹事長やKSD関連の議員連盟会長という「地位や立場を利用して同僚議員に勧誘説得すること」も「重要な職務行為」と認定。そのうえで「国権の最高機関たる国会を担う参院議員がその職務の中核に関してわいろを収受した」「わいろ額は多額で、議員会館内で収受するなど大胆で悪質」と指摘しました。「自民党丸ごと買収」をねらったKSD政界工作の窓口だった村上被告の役割が判決で鮮明になりました。
村上被告は請託や現金授受を否認しましたが、判決は贈賄を認めた古関忠男元KSD理事長(82)=有罪確定=の供述の信用性について「核心的部分などは信用性が高い」と判断。村上被告が事務所家賃負担や現金提供について「報酬の趣旨を含むと認識していた」と認定しました。
「自民党の参院のドン」だった村上被告ら元議員二人を含む計七人が起訴された事件は、一審の有罪判決が出そろいました。同被告は即日控訴しました。