日本共産党

2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」

「川辺川」 国が上告断念

ダム建設中止迫られる

利水訴訟


 熊本県相良村に計画されている川辺川ダムから水を引く国営土地改良事業の計画変更をめぐり、農家側が異議申し立てを棄却した農水大臣の決定を取り消すよう求めていた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁が農民側逆転勝訴の判決を言い渡したのを受け、亀井善之農水相は十九日夜記者会見し、最高裁への上告断念を発表しました。これで農家の異議申し立てを認めた判決が確定、変更後の計画が一部無効となり、農水省は工事の契約を解除します。

 上告断念の理由について、同相は農業用用排水事業と区画整理事業の計画変更について受益農家の三分の二以上の同意という要件を満たさないとの事実認定がなされ、国側の主張が認められなかったことを挙げました。

 土地改良事業の計画変更には、対象農家の三分の二以上の同意が必要。控訴審判決は、同意書を修正液で書きかえるなどの改ざんもあったことを明らかにし三分の二以上の要件を満たしていないと認定しました。

 利水事業計画の建設目的が破たんしたことになり、国は無駄で環境破壊のダム事業そのものの中止が迫られることになりました。

 川辺川利水訴訟の原告団・弁護団は同日、亀井農水相に面会し「国は福岡高裁判決を受け入れ、上告断念という歴史的英断を」と申し入れました。これには、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員、岩佐恵美参院議員が同席しました。


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