2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の石井郁子議員は十四日の衆院文部科学委員会で、国立大学法人法案による国立大学の債務負担についてただしました。とりあげたのは国立大学付属病院等の設備整備のための長期借入金。これまで国の責任で返済していたものが、法人化によって大学法人に返済義務が課されることになります。
石井氏は付属病院をもつ国立大学の長期借入金が膨大な額になっていることを指摘。付属病院の収入が軒なみ赤字(東京大学、八十一億円の赤字など)となっているなかで、「各大学法人はどれだけ債務を負担し、どのように返済をおこなうのか」とただしました。
文科省の玉井日出夫総括審議官は、「各国立大学法人が病院収入を前提に債務を負担し、償還計画を立てる。ただしその時、(国が)きちんとした予算措置はする」と答弁しました。石井氏は、大学病院は医学生の教育を担うと同時に、新しい医療の開発など特別な機能があることを指摘。「(これらの機能を果たそうとすれば)国立病院は初めから黒字になるはずがない。病院収入によって返還させることは、とんでもないこと」と批判しました。
また石井氏は債務返済の押しつけで、「医学部の授業料が値上げされることはないか」と質問。文科省の遠藤純一郎高等教育局長は、「授業料の標準額を検討している」と述べ、値上げを含む対応を否定しませんでした。