2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
携帯電話の通話記録盗み出しで有罪になった創価大グループの一員が、それ以外にも対立団体幹部らの通話記録を盗んでいたとして、被害者で元創価学会員の女性ら二人が十四日、東京地検に告発しました。
告発したのは東京在住の佐藤せい子さんとAさん。告発されたのはNTTドコモの子会社ドコモシステムズの嘉村英二元社員と氏名不詳の創価学会関係者。告発人と同代理人の松井繁明弁護士らが記者会見して明らかにしました。
告発状によると、嘉村元社員は昨年三月ごろ、東京・江東区のNTTドコモ情報システム部の料金明細システムを不正に操作して佐藤さんらの携帯電話三台の通話日時・時間、通話先などのデータを入手。これが電気通信事業法違反(通信の秘密侵害)と窃盗に当たる、としています。
佐藤さんは日蓮正宗の信徒団体で創価学会批判をしている妙観講の副講頭。Aさんは学会外郭組織の幹部職員の夫と離婚後、いやがらせを受けています。
告発状はこうした背景にふれ、「告発人らの反創価学会活動を嫌悪し(その)交友ないし活動関係に関する情報を把握するため」の犯行であり「本件をそそのかし共謀しうる人物」の存在を指摘しています。
事件発覚のきっかけは創価大グループの別件の事件。同大学学生課副課長(当時)が後輩の嘉村元社員に指示して同大剣道部監督の女性友達の通話記録を盗み出したもので、三人とも有罪が確定しています。
その捜査段階で警察が佐藤さんらに「あなたの通話記録もアクセスされている」と告げて、Aさんの長女を含む三人から事情聴取し、Aさん親子の調書も作りました。ところがその後、警察は調べを中断。告発状は「何かの圧力が加わり、捜査方針が急変したとみるのが、最も合理的な推測であろう」と指摘しています。