2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は十四日、国会内で記者会見し、衆院有事法制特別委員会での有事法案の採決強行について次のように語りました。
一、与党と民主党などによる、特別委員会での有事法案の採決強行に強く抗議する。
この法案については、すでに国会の審議を通じて、三つの重大な問題が明らかになっている。
一つは、自衛隊の海外での武力の行使に公然と道を開くということ。
二つは、米国の先制攻撃の戦争にも参戦する道を開くということ。
三つは、この戦争に国民を罰則つきで強制動員するということだ。
「攻められたときの備え」でなく「攻めるときの備え」がこの法案の本質だ。海外武力行使法であり、先制攻撃参戦法だ。憲法じゅうりんの違憲立法であるとともに、世界の平和のルールを脅かす、歴史的な悪法の委員会強行に強く抗議する。
一、民主党との「修正」は、この法案の本質に指一本触れず、少しも変えるものではない。民主党が、この法案に賛成したことは、民主党自身のこれまでの立場――「専守防衛」、「先制攻撃には反対する」――からみても、説明のつかない矛盾した態度だ。国会で、わが党は、「修正」案ではこれらの法案の根幹にかかわる問題が、何ら解決されていないことをただしたが、民主党からはまともな説明はなかった。
「基本的人権の尊重」などの文言が入ったというが、もともと国民に戦争協力を罰則つきで強制する――人権を抑圧するところに有事法案の本質がある。いくらこの文言を入れたところで、この本質をごまかす粉飾にすぎない。
民主党は、この悪法に手を貸した重大な責任が問われる。
一、与党と民主党の政党間の協議で決めたあと、国会での審議を一切保障しなかったことも重大だ。与党と民主党が合意した「修正」案なるものは、国会でまともな審議もなしに、問答無用で強行された。内容はもとより、やり方も、民主主義にそむく重大な汚点となった。
一、わが党は、明日の本会議で、堂々と反対を貫く。参議院でのたたかいで、国民運動とも共同して廃案に追い込むために、最後まで力を尽くす。