2003年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の宮本岳志議員は、十三日の参院個人情報保護特別委員会で質問し、政府提出の保護法案では、行政機関内のずさんな個人情報の取り扱いをやめさせたり、乱用に歯止めがかからないと追及しました。
宮本氏は、国民のプライバシー権を真に確立するための法整備は急務だと指摘。旧KDD顧客名簿の流出や、厚生省(当時)の患者調査票千二百八十六枚が家庭ごみとして捨てられた事件にふれ、情報通信や医療など個別分野での法整備が急がれると強調しました。
また、警察や公安調査庁による思想調査データのファイル作成について追及。松田隆利・総務省行政管理局長は、同法案の適用を受けることを認めつつも、「例外規定に該当すれば公表されない」とのべました。
宮本氏は「権力機関による思想調査は、最悪のセンシティブ情報の違法収集であり、憲法違反」と批判しました。思想調査など秘密扱いのファイル作成について、片山虎之助総務相は「国家や国民にマイナスなことは明らかにしなくてもいい」と正当化しました。
宮本氏はさらに、別々の個人情報ファイルをコンピューターで照合し、新たなファイルを作成するデータマッチングについて、明確な法的根拠がないものはきびしく規制すべきだと要求しました。