2003年5月13日(火)「しんぶん赤旗」
保守新党が、暴力団組員の企業から秘書給与の肩代わりを受けるなど癒着関係にあった同党の松浪健四郎衆院議員(大阪十九区)を自民、公明両党とともにかばい続けています。反社会的な犯罪者集団とのかかわりを認めながら議席にしがみついている同議員に、同党が辞職勧告できない背景をみてみると─。
同党は現在、衆院議員十人、参院議員四人の勢力です。衆院議員のうち、海部俊樹最高顧問、二階俊博幹事長など一部を除いて基盤が弱い議員がほとんどで、「知名度」がある松浪議員を次期総選挙を前に辞めさせるに辞めさせられないという「事情」も指摘されていますが、理由の一つとされているのがカネです。
同党の前身、保守党の二〇〇一年の政治資金収支報告書によると、年間収入は約七億五千二百万円。内訳は、名古屋、福岡、札幌、東京の四カ所で開いたパーティー収入が約二億円、企業・団体献金の窓口になっている保守政治協会からの寄付が三千五百三十万円、政党助成金が四億二千八百九十五万五千円など。実に六割近い57%を国民の税金の分け取りに頼っていることになります。
所属国会議員数などで各党に割り当てられる政党助成金。現有十四議席の同党の場合、松浪議員が辞職すれば、党財政の大きな比重を占める政党助成金が数千万円単位で減るだけに、辞職させるわけにはいかないという事情が浮かび上がってきます。
もともと保守新党は、昨年末、保守党と熊谷弘代表ら民主党離党組が政党助成金をあてこんでかけこみで結成した政党。総務省が四月一日に決定した政党助成金の配分によると、同党はことし五億百万円を受け取ることになっています。
〇一年、保守党は松浪議員が支部長を務める保守党大阪府第十九総支部に計千百三十五万円の寄付・交付金を支出していますが、暴力団癒着議員にも憲法違反の政党助成金か─。(藤沢忠明記者)