2003年5月10日(土)「しんぶん赤旗」
安倍晋三官房副長官は九日、衆院外務委員会で、有事法制で強制動員の対象となる「指定公共機関」について「民間航空事業者の指定について検討していきたい」と答弁しました。戦争協力を拒否した従業員に対する会社側の処分も「(憲法に)反するとは考えていない」と当然視しました。日本共産党の松本善明議員の追及に答えたものです。
松本議員は、イラク戦争のようにアメリカが先制攻撃の「最後通告」を発したことによっても武力攻撃事態が生じ、有事法制が発動されうることを政府も認めていると指摘。「そのときに航空労働者が安全上の理由やそんな戦争には協力をしたくないという信条から拒否したことで業務命令違反で処分されるとしたら、憲法十九条の保障する良心の自由に違反することになるのではないか」とただしました。
安倍副長官は「指定公共機関となった法人に措置の実施を求めるのであり、個々の従業員に求めるのではない。従業員が個人的な考えで業務を拒否した場合には、その法人内の内規での対応になる。個々の会社の判断だろう」と答弁。松本議員は「いま航空労働者は大変心配している。憲法に違反しないとは、これは重大な答弁だ」と厳しく抗議しました。