2003年5月9日(金)「しんぶん赤旗」
就職面談の際にセクハラで精神的苦痛を受けたとして、元保険外交員時任玲子さん(41)が、自民党の加藤法瑛・元大阪府議会議長(67)に約三百七十万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が八日、大阪高裁でありました。竹原俊一裁判長はセクハラを認定した上で、請求を棄却した一審判決の一部を変更し、加藤元議長に百万円の支払いを命じました。
竹原裁判長は「採用を求める立場の女性と府議という社会的な力の差を利用し、性的意図の下に身体に接触したことは明らかで、精神的苦痛を与えた」と述べました。
判決によると、加藤元議長は時任さんに後援会事務所への就職を勧誘。二○○○年七月に大阪市内のホテルで面談した際、「女が男と同じように仕事ができるわけがない」と言って、腰に手を回すなどしました。時任さんは採用してもらうために不快感を我慢し、保険外交員も辞めましたが、結局採用されませんでした。
一審大阪地裁は昨年三月、「セクハラ行為を受けながら、その後も事務所への就職を希望し続けることは考え難い」などとして、時任さんの請求を退けていました。
判決をうけて時任さんは「訴えが認められてうれしい。自分自身をとりもどしたという感じです。自分の信じたことをあきらめないでがんばってきてよかった」と語りました。