2003年5月2日(金)「しんぶん赤旗」
一日の第七十四回中央メーデーで日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつ(大要)は次の通りです。
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第七十四回中央メーデーにお集まりの仲間のみなさん、おはようございます。私は、日本共産党中央委員会を代表して、みなさんに熱い連帯のあいさつを送るものであります。(拍手)
私たちは、「住民が主人公」の自治体への改革をめざす多くの人々とともに、いっせい地方選挙をたたかいました。現有議席の確保ができず、有権者のご期待に十分にこたえる結果が出せなかったことは残念であり、しっかりと総括をしたいと考えていますが、そのなかでも今後につながる重要な成果もえることができたことを、私はみなさんにご報告したいと思うのであります。
一つは、日本共産党が、前半戦と後半戦をつうじて、二千二百二十七議席を獲得し、非改選の議席をあわせて地方議員数は四千二百九議席と、ひきつづき地方議員第一党の力を維持したことであります。(拍手)
二つは、日本共産党が無党派の人々と共同して、新しい自治体づくりにのりだしているところでは、どこでも前進をかちとっていることです。
わが党は、長野県と徳島県の県議選で前進をかちとり、日本共産党が首長をつとめている四つの自治体――東京・狛江市、秋田・湯沢市、岩手・陸前高田市、長野・坂北村の議員選挙で全員当選をかちとりました。(拍手)
これらの自治体でおこっている変化は、決して偶然ではありません。全国に広がりうる希望ある変化です。それは自民党政治には未来がないことをしめしています。みなさん、そのことに確信をもって、つぎのたたかいにのぞもうではありませんか。(拍手)
世界ではイラク戦争という激動がおこりました。米英軍が、軍事力では「勝利」をおさめたとしても、「勝てば官軍」というわけにはいきません。
この戦争が国連憲章をふみつけにした無法な侵略戦争であったこと、おびただしいイラクの子ども、女性、お年寄り、民間の罪なき市民の命を無残に奪った非人道的な戦争であったこと――これらの犯罪行為への責任を、国際社会はきびしく追及しなければなりません。(拍手)
米英が戦争をはじめる理由にした大量破壊兵器は見つかっていません。国連の査察団を復帰させ、真実を世界に明らかにし、問題の解決をはかる必要があることも強調しなければなりません。
そして、イラクの復興支援の主体となるのは国連をおいてほかにありません。無法な侵略のうえに、無法な軍事占領をすすめ、自分に都合のよい政権をおしつける――米国の新しい植民地主義は、すでにイラクと中東で深刻な矛盾をもたらしています。この道には決して未来はありません。みなさん、国連憲章にもとづく平和のルールをとりもどすために、力をあわせようではありませんか。(拍手)
米国の戦争に自衛隊を参戦させ、国民を強制動員する憲法違反の有事法制の危険性は、イラク戦争をつうじて、いっそう深刻なものとなりました。政府は、米国がイラク型の先制攻撃の戦争にのりだした場合でも、この法律の発動がありうると、公然と答弁しました。私は、連休明けに重大局面をむかえる有事法制を廃案においこむためのたたかいを、急速に強めることを心からよびかけるものです。(拍手)
小泉内閣が発足して二年。国民の暮らしと日本経済は、坂道を転がり落ちるような深刻な事態に直面しています。
とくに深刻なのは、勤労者の家計を支える所得が、空前の落ち込みをしめしていることです。三月の家計調査では、サラリーマン世帯の所得は、前年同月比で何と7・5%も落ち込みました。年収に換算すると約四十六万円の落ち込みです。まるまる一カ月分以上の給料が減ったことになります。「小泉改革」のもとで、リストラによる失業と賃下げがすすみ、パートやアルバイトなど不安定雇用をふやしてきたことの結果です。
空前の所得減に、医療費の値上げ、庶民増税などあわせて四兆円をこえる負担増でおいうちをかけたらどうなるか。国民の暮らしはもとより、日本経済はいよいよ破たんの泥沼に沈み、企業活動の未来もなくなります。
「リストラをゆるさず、はたらくルールの確立を」「労働法制改悪反対」「医療費三割負担を元にもどせ。四兆円の国民負担増反対」――勤労者の暮らしをまもるたたかいは、日本経済をたてなおすうえでも、大義と道理にたったたたかいです。みなさん、ここに確信をもって、暮らしをまもる国民的運動を広げようではありませんか。(拍手)
歴史にはジグザグもありますが、平和と暮らしを破壊する勢力に未来はありません。力をあわせてたたかえば、希望ある明日は必ず開かれます。
第七十四回メーデー万歳。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)