2003年4月26日(土)「しんぶん赤旗」
日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は二十五日、二〇〇二年度『高校生の就職実態調査のまとめ』を発表しました。正規社員の求人の少なさから、就職希望の取り下げや「就職・進学以外」を選ぶ生徒が急増しています。
ことし三月に卒業した高校生の就職決定率は85・6%(男子89・5%、女子80・8%)でした。同調査は、最後まで就職を希望しながら内定を得られないまま「就職浪人」になっている人が約三万四千人にのぼっている、と推定しています。
今回から調査項目にいれた「就職・進学以外」を選ぶ生徒は13・5%でした。同調査は「就職もできず、経済的理由から進学もできない生徒で、卒業後は『フリーター』となっていると思われます」と分析しています。
一方で人材派遣業、業務請負業、一年契約、パートなどの不安定雇用が増えています。「派遣会社からでないと働けない大手企業」「高卒は一年契約でしか採用しない企業」の例も報告されています。
同調査は、「青年の未来を保障することなくして日本の将来はない」として、就職難打開のために「リストラ人減らしをやめさせ、残業規制などによる労働時間短縮で雇用の創出をめざすことが必要」と訴えています。
調査の対象は高校・障害児学校の卒業生で、二十七道府県二百二十二校から回答を得ました。