日本共産党

2003年4月26日(土)「しんぶん赤旗」

役員優遇に労組反発

アメリカン航空会長辞任


 【ワシントン24日遠藤誠二】イラク戦争などのあおりで経営難が続いている米航空大手のアメリカン航空では、大幅なリストラや賃下げを労働者に強いる一方で、役員には優遇措置を実施しようとすることが発覚、二十四日、カーティー会長兼CEO(最高経営責任者)が辞任する騒ぎとなっています。

 アメリカン航空は、過去二年間で五十三億ドル(約六千四百億円)の損失を出し、今年第一・四半期の損失も十億ドル(千二百億円)を超えました。先月三十一日、総額十八億ドル(約二千二百億円)にのぼる賃金削減案が発表されました。その内訳は、パイロット組合では六億六千万ドル、整備士組合が六億二千万ドル、客室乗務員組合が三億四千万ドルの減となっています。パイロットの場合、総数の約二割にあたる二千五百人のレイオフ(一時帰休)と23%の賃金削減です。

 主要労組は今月十六日までに、このリストラ案を討議し、受け入れを決めました。この結果、同社は、当面破産法一一条に基づく会社更生手続きの適用申請という最悪の事態は免れました。

 ところが、一部役員には、年間給与の倍もの特別賞与(ボーナス)や退職年金などの優遇制度が適用されることが判明、労組が猛反発。カーティー会長は、謝罪し役員へのボーナス制度廃止を表明、会長を辞任しました。

 この結果、主要労組はリストラ案の受け入れを表明しましたが、客室乗務員組合(約二万六千人)の指導部の一部が、リストラ案採決のやり直しを主張し対決姿勢を鮮明にするなど、同社は依然波乱含みの状況です。


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