2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
|
日本共産党の春名直章議員は二十二日の衆院個人情報特別委員会で、発覚した自衛官募集のための適齢者リスト問題をとりあげ、一定年齢以上の個人情報を一律に提供させることが住民基本台帳法に規定もない行為で、「知り得た事項をみだりに他人に知らせ、不当な目的に使用してはならない」(三六条)などと定めた住基法にそむくものだとのべました。
石川県で使われた「名簿作成手引き」を示し、健康状態の提供まで求めていることをあげて、住基台帳以外の個人情報まで名簿化することは、行政機関による個人情報ファイルの保有を制限した現行の個人情報保護法にも違反するものだと強調しました。畠中誠二郎総務省自治行政局長は「提供の規定はない」と認めました。片山虎之助総務相は「自衛隊法施行令で市町村長に報告や資料の提供を求めることができる」と違法ではないとしつつも、「協力の範囲が適正かどうかの問題はある」とのべました。
また、宇田川新一防衛庁人事教育局長は、この名簿が現行法でも審議中の新法案でも「採用試験にかんする個人情報ファイル」に該当するとして総務大臣への通知も本人への情報開示も必要ないと答えました。
春名氏は「十八歳以上の国民全部の情報を集めても通知も開示もしなくてもよくなる」と批判。これは、思想・信条などの「センシティブ(慎重に扱うべき)情報」の収集禁止規定がなく、行政機関の個人情報の適正収集の規定もない政府案の「欠陥を示すものだ」とのべ、事件にかかわる資料の提出と徹底審議を強く求めました。