2003年4月19日(土)「しんぶん赤旗」
過剰なノルマを課して、過剰融資や違法な取り立てに社員を追い込み、あげくに債務を肩代わりさせる−−。サラ金最大手「武富士」がこのような異常な実態にあると、日本共産党の佐々木憲昭議員が十八日、衆院財務金融委員会で追及しました。
佐々木議員は、従業員が五人程度しかいない一支店(平均)に貸出残高を毎月約三千万円増やせ、としているノルマの過大さを指摘。これを達成させるため、同社が「(きょう月間目標の)20%伸長(達成)せよ。…GW暦どうり(休暇)は中締め達成が必須条件」などと支店を締め上げていると、ノルマ伝達のコンピューター画面を示して明らかにしました。
佐々木議員は、処分が申し立てられている過剰融資や強引な取り立ての事例を紹介。同社が、債務者との和解で「本人、第三者にかかわらず残元金80%(を回収)」などと、返済義務のない第三者に債務を請求するよう指示している社内文書を示し、「貸金業規制法に違反することは明らかだ」と追及しました。
さらに、このような違反行為の対応として、武富士が社員に債務の肩代わりをさせていることを同社の「債務保証書」のひな型を示して指摘。「長時間、厳しい尋問をされ、無理やり書かされた」という元支店長の証言も紹介して、「ノルマが過剰なために違法なことが加速されている。金融庁は社内の実態を厳正に調査し、是正の指導をすべきだ」と求めました。
竹中平蔵・金融経済財政担当相は、「(武富士については)立ち入り検査を終了したところで、対応については、今後しっかりと事務的に最善の努力をしていきたい」と答弁しました。