2003年4月16日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の吉井英勝議員は十五日の衆院個人情報特別委員会で、修正政府案でも表現・報道の自由を侵す危険性は変わらないと追及しました。
政府案では、規制対象の個人情報取り扱い業者から報道機関を除外したものの、各省の大臣が個人情報を扱う業者を指導する「主務大臣制」が残されました。
吉井氏が「苦情が持ちこまれた場合、報道にあたるかどうかを判断するのは主務大臣ではないのか」と質問したのにたいし、細田博之IT担当相は「例外的ケース」としつつも、「法の下で等しい取り扱いをしていくケースもある」と答え、主務大臣が報道か否かを判断することがあることを認めました。
吉井氏は、適用除外とされた報道機関に、情報管理などの努力義務を課していることにもふれ、表現・報道を侵す危険性は変わらないと指摘し、「個人情報保護の実施機関は直接の行政機関でなく、野党四党案のように行政から独立した第三者機関でおこなうことが必要だ」とのべました。
また、第三者機関について政府が「大きな組織が必要で行革に反する」と拒否していることを批判。既存組織を改組したり弁護士などの協力を得れば、大きな費用を投じなくても実効性ある仕組みができることを示し、「行革の名をかぶせれば基本的人権を切り捨ててよしとする考え方こそ問題だ。主務大臣制では、事業者への恣意(しい)的な介入や特定業者との癒着などの問題を一掃できない」と強調しました。
衆院個人情報保護特別委員会は十五日の理事会で、十六日午後に個人情報保護法案の審議を四時間行うことを決めました。審議には、福田康夫官房長官が二時間のみ出席します。