2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」
東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は九日、二〇〇二年度の私立大学新入生の家計負担調査を発表しました。深刻化する不況のなか、学生を持つ家庭の収入は減少。仕送りも大幅に減り、経済的負担が学生にも親にも重くのしかかっていることが明らかになりました。
昨年首都圏の私立大学に入学した学生のいる家庭を対象にアンケートを実施し、七千二百十四世帯から回答を得ました。
受験費用や学費・住居費・生活費など、入学した一年間にかかる費用は自宅外通学で平均約三百十二万円(前年比1・3%減)、自宅通学で約百四十六万円(同0・2%増)でした。一方、子どもを私大に入学させた家庭の平均年収(税込み)は前年比3・1%減の九百八十八万円で、十年ぶりに一千万円を割りこみました。自宅外通学生が一年間にかかる費用は、家庭の年収の三割以上になります。
仕送りの平均額は、一九九四年度に月十二万四千九百円だったのが、今回は十一万二千二百円に減少。逆に家賃は増加傾向で、仕送りから家賃を除いた額は前年より四千二百円減の五万二千百円。九五年の月六万八千二百円から一万六千円以上減りました。
90・6%の家庭が入学費用を「重い」と感じており、費用の借り入れをした家庭は22・5%。62・1%が奨学金を希望しています。
「父親の会社が倒産し、勉学をあきらめざるをえない」「残業なし、ボーナスカットという生活で二人の大学生の学費をどう工面するか悩んでいます」「二人の大学生と来年進学を希望している三番目の子どもがいる。夢はかなえてやりたいが現状はきびしい」などの声が寄せられています。
東京私大教連ではこうした実態を訴えながら、私学助成の大幅増額や奨学金制度の抜本的改善を求める署名運動を、父母・学生と共同して進めることにしています。