日本共産党

2003年4月4日(金)「しんぶん赤旗」

九州新幹線工事

政官業癒着の構図
発注・鉄建公団

12人が天下り

受注・ゼネコン 自民に巨額献金


写真

工事がすすむ九州新幹線の新水俣駅。左は日本共産党の清水晶夫・水俣市議

 九州新幹線工事を受注しているゼネコンに発注元である鉄建公団の職員が役員として天下り、そのゼネコンが山崎拓幹事長、古賀誠前幹事長など九州選出の自民党有力議員などに巨額な献金をしているという政官業癒着の実態が日本共産党の小沢和秋衆院議員、大沢辰美参院議員の調べで明らかになりました。

 調査したのは、二〇〇一年度工事の九州新幹線(博多・西鹿児島間)の十五区間。うち、十四区間を受注した前田建設工業など十二社(鹿島建設、東急建設は二区間)が、鉄建公団の理事、部長、調査役など計十二人を副社長、専務、営業本部常務、土木営業本部長、技術顧問などとして迎えています。(表参照)

 公団時代からの顔を利かせて情報や仕事をとってきているわけです。

 九州新幹線建設工事・役務の受注企業は、一九九五年から二〇〇一年までの七年間に、九州新幹線鹿児島ルート議員連盟のメンバーや、自民党熊本県連に十億円を超す献金をしていました(二月二十七日、衆院予算委員会第八分科会、小沢質問)が、このうち別表の十二社は計一億一千四百九万円の献金をしています。

 献金を受け取っていたのは、山崎、古賀両氏のほか、同議連会長の小里貞利元総務庁長官、自民党整備新幹線建設促進特別委員長の松岡利勝衆院議員、松下忠洋衆院議員、陣内孝雄参院議員、渡辺具能衆院議員ら。

 採算性について慎重論が多く、その負担の一部の地方への押し付けや、並行在来線の経営分離などをめぐって協議が難航した九州新幹線の建設ゴーサインに、こうした献金攻勢は、大きな役割をはたしたといえます。

 一方、こうした政官業癒着の構造のなか、落札率が異常に高くなっています。

 「大坊トンネル工事」は、予定価格十六億九千四百七十万円に対して、受注金額は十六億六千九百五十万円、落札率98・5%です。落札率が最低でも、「新水俣駅本屋工事」の96・1%。ほとんど予定価格そのもので、談合の産物というべき結果です。


鉄建公団の天下り、献金攻勢…

《ゼネコン九州新幹線工事をめぐる政官財癒着の関係》

受注企業工事区間天下り社員の役職献金(万円)
鹿島建設妙見T他2(98・1)
筑紫T(南畑)1(97・7)
土木営業本部長
西松建設第1紫尾山T他3(98・5)技術顧問1500
東急建設出水ST本屋他(97・3)
大鞘BL他  (97・7)
営業本部常務128        
前田建設工業筑紫T(河内)1(97・5)副社長2465
梅林建設筑紫T(山浦)他1(97・7)取締役96
奥村組新水俣ST本屋他(96・1)常務510
大林組新八代ST本屋他(96・2)支店営業部長1308
鴻池組瀬高南BL他(98・0)専務1592
東亜建設工業松橋・小川BL(97・0)顧問1428
竹中土木松橋BL他(97・5)営業部長1100
大成建設筑紫T(梶原)他1(97・8)顧問508
不動建設大坊T他1(98・5)常務769

《注》工事区間のTはトンネル、STは駅、BLは高架橋。カッコ内の数字は落札率。献金相手先は自民党国会議員、同党熊本県連 


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