2003年4月4日(金)「しんぶん赤旗」
都知事選(十三日投票)で、石原慎太郎候補は、「文明がもたらしたもっとも悪(あ)しき有害なものはババァ」などとした自分の発言について、「私は(他人の発言を)引用しただけ」とでたらめな言い訳をしてまわっています。この女性蔑視(べっし)発言を都議会で追及したのは、日本共産党だけ。石原氏の発言を一切批判せず、増長させてきた自民、公明、民主、ネットなど都議会「オール与党」の責任が改めて問われています。
石原氏の女性蔑視発言問題は、おばあさんの存在が人類の繁栄につながったという学説(おばあさん仮説)が持論の東大教授・松井孝典氏とテレビで対談した石原氏が、松井氏の発言を百八十度ねじまげ、女性週刊誌のインタビューで「悪(あ)しき有害なものはババァ」という発言をしたものです。(別項参照)
この発言が表面化し、都民、女性団体の批判が広がった直後の二〇〇一年十二月都議会で、石原氏の発言を厳しく追及し、撤回を求めたのは日本共産党だけでした。
これにたいし、石原氏が、「年とった女の人が、他の動物の生存の仕方にくらべれば、かなり横暴な存在である」(〇一年十二月十一日、都議会本会議)などと新たな暴言を重ねたときにも、厳しく批判したのは日本共産党だけ。自民、公明、民主、ネットの各党は、だんまりを決め込んだのです。
石原知事に発言の撤回・謝罪を求めて都内の女性らが裁判に訴えるなかで開かれた、今年三月都議会では、日本共産党の吉田信夫都議が予算特別委員会で、「松井教授の発言を引用しただけ」という石原氏の弁明を根底からつきくずす追及をし、石原氏は答弁不能になりながらも、あくまで発言の撤回を拒否する態度をとったのです。
この予算特別委員会では、自民、公明の都議が吉田都議の質問中、「ここでやることじゃないだろ」などと口汚いヤジを浴びせかけ、立ち往生した石原氏に助け船を出す場面もありました。
知事の言動や政治姿勢をチェックするのは議会の当然果たさなければならない責務です。ところが、「オール与党」の都議会で日本共産党以外の各党、各会派は、知事の提案に何でも賛成するだけでなく、石原氏がどんなに知事失格の暴言を吐こうとも、これを是認し、だまって見過ごすだけという異常な事態になっています。
都民の心をひどく傷つけてきた人権感覚の欠如した石原都政にノーの声をつきつけられるのは、日本共産党の若林義春候補しかいません。
石原氏の発言 「これは僕がいってるんじゃなくて、松井孝典がいってるんだけど、“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です”って。男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって…。なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね(笑い)。」(『週刊女性』二〇〇一年十一月六日号)