日本共産党

2003年4月3日(木)「しんぶん赤旗」

石原氏の「賛成」隠し通用しません

イラク戦争が「争点じゃない」なんて

好戦姿勢批判し続けた共産党

平和の願い 若林さんへ


 都知事選(十三日投票)で、石原慎太郎候補が告示後の街頭で、「イラクの戦争、賛成、反対、これは都政に関係ない」と演説して歩いています。都議会でも米国のイラク攻撃「容認」、「イラク淘汰(とうた)はまちがった戦略ではない」と極端な米国追随、戦争賛成論をいってきた石原氏が、その本音を隠して、選挙の洗礼を受けようというのは、あまりに卑劣です。


有権者の6割「考慮する」

 イラク戦争のさなかの都知事選。罪のない子どもたちまでが殺される悲惨なニュースが伝えられるたびに、多くの都民は胸を痛め、アメリカの無法で非人道的な侵略戦争をただちにやめさせたいと考えています。

 「朝日」一日付世論調査で、「統一地方選挙で投票する際に、候補者のイラク戦争に対する姿勢をどの程度考慮しますか」の問いに、六割を超える人が「大いに考慮する」「ある程度考慮する」と答えたように、有権者は平和の願いを託せる候補はだれなのかを見極めようとしています。

 この点で、都知事選での都民の選択はとりわけ重いものです。一方に、イラク戦争開始前から、戦争勃発(ぼっぱつ)後まで一貫して米国の戦争に賛成する異常な態度をとってきた(語録1参照)石原現知事がおり、もう一方に、イラク問題の平和的解決を求めて一貫して努力し、アメリカの無法な侵略戦争の即時中止を求める日本共産党の若林義春候補がいるという、正面対決の構図の選挙だからです。

 このため、石原氏は、戦争か平和かの問題が知事選の争点になることをなんとか避けようとしています。

 石原氏は街頭での演説で、「この世の中で、戦争好きな人間がいるわけない」ともいっていますが、あいた口がふさがりません。北朝鮮への戦争をけしかけ、北朝鮮のミサイルの京都への飛来を念じ、自衛隊を「軍」と呼んで、憲法の平和主義を徹底してばかにしてきた(語録2参照)のはだれだったのでしょうか。

反戦つらぬき石原氏を批判

 前回、都知事選で、その右翼タカ派の立場を徹底して隠して知事に当選し、都政の場で危険な発言を続けてきた石原氏を、都議会で批判し続けたのは、日本共産党だけでした。

 日本共産党は、創立以来八十年、戦前の暗黒時代には、命がけで侵略戦争とたたかい、戦後も一貫して反戦平和を貫いてきました。「東京から全世界に戦争即時中止のよびかけを発信しよう」と訴える若林義春候補は、日本共産党の東京の責任者として、米国追随・イラク戦争「容認」の石原知事と、実際に対決してきた唯一の候補者です。


語録 1

 国連の査察のさなかに攻撃「容認」

 「僕はやっぱり、アメリカの行動を容認せざるをえないし、容認すべきだ」(TBSラジオ番組で、2月25日)

 都議会でイラク「淘汰」発言

 「基本的にアメリカがわれわれの意思も代行して、イラクという非常に危険な存在というものを世界の平和のために淘汰(とうた)するというのは、間違った、要するに一つの戦略とは思いません」(都議会予算特別委員会、3月4日)

 開戦直後に「法的根拠、合理性ある」

 「(イラクが国連の)決議をひっくり返した、裏切ってきた、履行しなかった事実は歴然としてあるわけで、ゆえにもですね、アメリカの法的な根拠ってのかな、合理性があるということなんでしょう」(都庁での記者会見、3月20日)

 米紙で「支持」の理由のべ “北朝鮮は同じ運命にある”

 米紙ワシントン・ポストに「支持」の理由を問われ、「世界がイラクにどのように対処するかによって、北朝鮮の行動が変わるだろうからだ。彼らは同じ運命にあると悟るだろう」。同紙は「日本の再武装、北朝鮮への爆撃、『真珠湾のように』イラクに対処することを主張する人物」と紹介。(3月24日付)

語録 2

 「残念ながら戦後、いびつな憲法のもとに軍というものが白眼視され、みなさん方もずいぶん肩身の狭い思いをされてきた。日本も他力本願ではなしに、自力できちっとするんだという自覚をやっと国民も持ち始めた。自衛隊もまた自衛隊という名前に連綿とすることなく、私はあえて『軍』と発言しているが、強い自覚をもって励んでほしい」(「ビッグレスキュー」で自衛隊員を前に講評、2000年9月3日)

 「僕が総理大臣なら、実は百人近くもいるという拉致された日本人をとり戻すためになら北朝鮮と戦争をおっぱじめるよ(笑い)。瞬間的に降伏するよ、向こう」(『週刊文春』2002年9月5日号)

 「超法規的な対処でいい。憲法の拘束もヘチマもない」「そういう国(北朝鮮)と日本は堂々と戦争したっていい」(テレビ朝日「サンデープロジェクト」2002年11月10日放映)

 「軍事力による脅しを背景にしない外交交渉というのはナンセンスじゃないか」「何度でもいうけど、ノドンでも日本に落ちてくれた方が日本は覚醒するだろう」「ノドンが東京までの射程距離がない頃、京都の金閣寺にでも命中して焼けたら日本人も少しはしゃきっとするんじゃないかと半分本気で言ったことがある。どうせ、金閣寺はレプリカだしね(笑い)。」(『諸君!』2002年11月号)


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