2003年3月29日(土)「しんぶん赤旗」
日本初の軍事偵察衛星(情報収集衛星)二基が二十八日午前、鹿児島県・種子島宇宙センターから宇宙開発事業団のH2Aロケット5号機で打ち上げられました。
軍事偵察衛星は一九九八年に国産での導入が閣議決定され、開発が進められていたもの。目的の第一に「外交・防衛等の安全保障」を挙げ、軍事目的を明確にしています。
防衛庁・自衛隊はこれまで、商用衛星からの画像データを利用し、他国の軍事基地などの状況を把握してきました。政府の軍事偵察衛星の本格的運用が始まれば、独自の軍事情報の収集活動ができるようになります。
今回打ち上げられた衛星は、地上の建物や車両などを一メートル四方まで識別できる光学センサー衛星一基と、悪天候でも一−三メートル四方まで識別できる合成開口レーダー衛星。いずれも地球を南北方向に周回する高度四百−六百キロの軌道に投入されました。
二基は、地球のどこでも一日一回の撮影が可能。今回の二基が毎日午前、今夏に打ち上げが予定されている別の二基が毎日午後に撮影を行うことになります。