2003年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
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医療、介護、年金の改悪による高齢者への影響が一人あたり年間約三万円にのぼる──日本共産党の小池晃議員は、年金給付削減法案を審議した二十七日の参院厚生労働委員会で、高齢者の生活を直撃する実態を明らかにしました。
それによると、昨年十月実施の老人医療費の自己負担の定率化による負担増が一万二千九百円、四月からの介護保険料引き上げが四千円、四月からの年金給付削減が一万二千五百円で、合計二万九千四百円となります。
小池議員が「とりわけ年金生活者に耐え難い打撃となる」とのべ、年金削減法案撤回を求めると、坂口力厚生労働相は「制度が成り立つために助け合うことが必要」と弁明しました。小池氏は、国民年金で月額四万円未満の人が五百二十万人もおり最低限度の生活保障もないのが実態だとのべ、「負担増・給付減が三つ重なることの影響についてまともに検討もせず、不況で生活が苦しい人たちに負担増などを押し付けることは許されない」と批判しました。
また、国民には年金削減を押しつける一方で、年金積立金の株式運用による累積赤字が今年度末で五兆円を超える可能性があると指摘。それにもかかわらず、「分散運用が大事」といって株式運用のさらなる拡大を容認する坂口厚労相にたいして、「だれが損失の責任をとるのか。株式運用など無責任なことはきっぱりやめるべきだ」と主張しました。
影響額 | 加入者 | 1人あたり | |
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老人医療費自己負担の定率化 | 2000億円 | 1546万人 | 1万2900円 |
介護保険料の引き上げ | 960億円 | 2370万人 | 4000円 |
年金給付の削減 | 3700億円 | 2950万人 | 1万2500円 |