2003年3月24日(月)「しんぶん赤旗」
新生銀行が内部文書で、債務返済に問題ない優良な取引先の貸し出しに対しても強引な回収を迫っていることが二十日の参院財政金融委員会で明らかになりました。日本共産党の池田幹幸議員の調べで判明したもの。
政府の不良債権処理の対象は「破たん懸念先」以下の債権。「正常先」「要注意先」は当然、処理対象に含まれませんが、都市銀行は「要注意先」債権に対し、金利引き上げ・融資停止の「マニュアル」を作成していることがわかり問題化しています。今回明らかになった新生銀行の内部文書は、さらに上の「正常先」債権まで回収を命じる極めて悪質な内容となっています。
内部文書(二〇〇二年四月二十六日付)は債務履行がきちんとなされている「正常先」債権でも、「将来環境が変化した場合、十分注意すべき要素がある」(低信用先5ランクに分類)などとする企業に対しては、二〇〇二年十二月末までに資産売却、他銀行に肩代わりさせるなど融資回収を指示。できなかった場合は短期資金の借り換え(ロール)を停止するよう命じています。
池田氏は「資金融資という銀行の本来業務を崩すやり方だ」と批判。さらに、他行が新生銀行のまねをして資金回収を始めていることも指摘し、「こんなやり方が進めば、国民経済全体がダメになる」と金融庁に是正指導を求めました。竹中平蔵金融相は「個別の話で答えようがない」などと答弁しました。