日本共産党

2003年3月15日(土)「しんぶん赤旗」

ウソで都民欺く石原都知事

女性蔑視発言取り消さず日本共産党の批判に悪ば


 東京都知事選への再選出馬表明した石原慎太郎氏は七日の会見で、女性蔑視(べっし)発言を厳しく追及した日本共産党について問われ、「クロをシロ、シロをクロといいながら、論理を構築していくデマゴーグ(扇動家)」だなどと口汚くののしりました。これは、都民のひんしゅくをかった暴言をあくまで取り消そうとしない、石原氏の女性蔑視の根深さを示すだけです。


石原氏の女性蔑視発言

 別項1 「これは僕がいってるんじゃなくて、松井孝典がいってるんだけど、“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です”って。男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって…。なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね(笑い)。」(『週刊女性』〇一年十一月六日号)

松井氏の発言“おばあさんの存在で人類は繁栄”

 別項2 「1つの理由に“おばあさん仮説”がある。ゴリラ、チンパンジー、オランウータンなど類人猿のメスは、子供が産めなくなると数年と経(た)たないうちに死んでしまい、おばあさんは存在しない。何らかの理由でおばあさんが出現し、その結果人口が増加し、繁栄したという説である」(アーク都市塾の講義メモから)

弁解のしようがない女性蔑視

 一連の「石原女性蔑視」問題は、女性週刊誌のインタビューでの、石原氏の発言に端を発したものです。(別項1)

 他者の発言にことよせて、みずからの本音をいうという語法は、石原氏がしばしば使うもので、ここでは問題の発言を、東大教授の松井孝典氏の発言だとしています。

 しかし、石原氏は、「悪(あ)しき有害なものはババァ」という口にするのもはばかられるような言葉を、「なるほどとは思う」といっているわけで、この暴言にこめられた女性蔑視の思想が、石原氏本人のものであることは、これだけでもはっきりしています。

 女性蔑視発言が表面化した直後の二〇〇一年十二月の都議会定例会で、この問題で石原氏を追及したのは、日本共産党だけでした。

 石原氏は答弁で、うば捨て山を題材にした小説に触れながら「年とった女の人が、他の動物の生存の仕方にくらべれば、かなり横暴な存在である」という新たな暴言(〇一年十二月十一日、都議会本会議)を重ねたうえ、「ババァ」発言の撤回を拒否、日本共産党にたいして「ファッショ的なデマゴーグ」という悪ばをなげつけました。

「松井氏の発言」と責任を回避

 「ババァ」発言をあくまで松井氏の発言だとして責任回避する石原氏を決定的に追い詰めたのは、四日の都議会予算特別委員会での日本共産党の吉田信夫都議の追及でした。

 吉田氏は、(1)石原氏がただ一度松井氏と対談したテレビ番組のなかで、松井氏は「ババァ」発言に類する発言を一切していないこと(2)松井氏が石原氏に話した現生人類が繁栄した理由についての“おばあさん仮説”は、おばあさんの存在が人類の繁栄につながったという趣旨のものであること(別項2)(3)松井氏自身が知事の発言に、「私のいっていることとは全く逆のこと」とコメントしていること−−をつきつけたのです。

 石原氏は、「私は、私なりの(松井氏との対談の)印象のことを受け継いだだけ」としどろもどろになりながら抗弁しましたが、事実ははっきりしました。石原氏は、石原氏自身の言葉で、あの許しがたい女性侮辱の発言をしたのです。

 ここまではっきりした女性蔑視問題で、石原氏がすべきことは、発言を撤回し、謝罪することでした。そして、みずからの前近代的でゆがんだ女性観について、あらためて深く省みることでした。

 都民の批判を受けつけず、開き直って発言の撤回・謝罪を拒否し、そればかりか、追及した日本共産党を逆うらみして、口汚くののしることまでした石原氏には、都知事の資格はないといわざるをえません。


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