2003年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
自動車や電機、造船などの大企業各社が十二日、金属労協(IMF―JC)に加盟する労働組合に春闘の回答をいっせいに出しました。
“ベアは論外。賃下げ当然”とする財界の強力な賃下げ論が振りまかれた〇三春闘は、日産自動車を除く大企業労組がベースアップ(賃金のかさ上げ)要求を見送り、定期昇給の維持が焦点となりました。
業績を「V字回復」したにもかかわらず、実質賃下げ提案が経営側から相次いだ電機は、ひとまず定昇相当分を維持しました。今後、賃金制度見直し協議が控えています。十八歳最低賃金の底上げは要求の半額の五百円の回答でした。
上位三社が過去最高益を記録する自動車では、日産が要求通りのベア千円。一時金ではトヨタと日産が要求通り、ホンダが要求に0・1%低い回答をしました。トヨタの労組がベアのかわりに求めた年間六万円の「成果配分」も要求通りでした。
一時金の業績連動方式をとる鉄鋼は、NKKが十九万円増の百三十万円で決着しました。
職場で怒りが広がっています。史上空前の大もうけを続けるトヨタ自動車。「昨年も今年も賃上げを我慢せよとは、もう我慢も限界だ」「夫は毎日クタクタ。賃上げゼロは誠意がなさすぎる」と労働者や妻が訴えます。
日立製作所では、回答が組合掲示板に張り出されても労働者は関心を示さず、「春闘後に定昇の見直しがある」と不安の声をあげています。