2003年3月7日(金)「しんぶん赤旗」
イラク問題で小泉内閣の姿勢をただした六日の日本共産党・筆坂秀世政策委員長の参院予算委総括質問。平和解決を求める世界の流れにそむく小泉内閣の姿勢があらわになりました。
小泉首相は「イラクが最後の機会を逸した」とする米英などの新決議案支持をいち早く表明し、「イラクに圧力をかけるため」などと国民に説明しています。
筆坂 事実上の武力行使容認、武力行使に道を開く。こういう決議に賛成だと考えているのか。
首相 米英の案を結束して支持することが、フセイン政権に査察に協力しないといかんな、場合によっては戦争に入らざるをえないなという自覚を促すものだ。
国民が聞きたいことをズバリ問いただした筆坂氏。戦争につながる新決議の性格を、首相も否定できませんでした。
米英の新決議案では、イラクがみずから武装解除しなければ査察は打ち切り、残る手段は武力行使となります。武力行使に道を開く決議を支持する重大性を追及する筆坂氏にたいし、「国際政治は複雑怪奇」などと懸命にかわす首相。
質問されてもいない川口外相も出てきて「フランス、ドイツ、ロシアが武力行使をしてはいけないといったことが、いかにイラクに間違ったメッセージを送っている」と首相を後押ししました。
首相 アメリカにも最後の最後まで外交的、平和的、政治的努力によって解決すよう努めるべきというのが日本政府の最善の策だ。
筆坂 それなら最終的に武力行使をやる場合、いま出されている決議以外にもう一つ、もっと武力行使を明確に決めた決議が必要というのか。
別の決議が必要だともいえない首相は、「二枚舌といわれるがはっきりしている」と、みずから「二枚舌」と口走るなど、まともに答えられず、「いわないのが選択なんです」とごまかしました。
さらに筆坂氏は「国際協調」「イラクに誤ったメッセージを与えてはいけない」といって新決議の多数派工作に走り回る姿勢を批判しました。
イラク戦争反対、平和的解決を求めている国は、アラブ連盟、イスラム諸国、非同盟諸国だけで百二十一カ国。安保理の公開討論では、参加した六十二カ国のうち五十カ国以上が平和解決を求め、武力行使を認める新決議に賛成を表明したのは日本、オーストラリア、などごく一握りです。
筆坂 国際協調というが、実際にはアメリカ協調・追随だ。戦争では罪なき人々が犠牲になり悲惨な戦争になる。
首相 イラクが決議を守らないから意見が割れている。クウェートを侵略したのはイラクだ。
筆坂 だれもフセインが悪くないとはいってない。国際社会はイラクの武装解除で一致している。割っているのはアメリカだ。
問題をすりかえ、アメリカ追随に居直る首相。
筆坂氏は「憲法九条をもつ国として新決議賛成の多数派工作ではなく、何が何でも武力行使のアメリカこそ説得すべきだ」とのべました。